風力発電所建設計画について
再生可能エネルギーという名の元に、日本中で、世界中で不思議なことが起きています。
脱炭素エネルギー社会を目指すために、森林を切り崩す?
エネルギー事業のはずなのに、具体的な事業計画が何もない事業?
地形や地質は考えずに山間部に線を引いてしまったのか?
松阪市飯高町で進められている(仮称)三重松阪蓮ウィンドファームの事業計画はまさにそんな実態がないのに規模だけ大きな、地域住民の不安を煽る計画です。生態系の豊かさを誇る地域になぜこんなことが進められてしまうのか。不安で仕方のない住民にできることは何なのか。疑問がふくらむ計画の実態に迫ります。
「再生可能エネルギーはクリーンエネルギー」?
地形にはそれぞれの役割があります。
砂漠や遠浅の沿岸部での風力発電は利にかなっても森林をごっそり削ってクリーンエネルギーというのは、どこかおかしい。
本来の地球温暖化防止のためなら森林は維持するほうが良いのでは。
それにも関わらず、発電所事業が計画されるのは、経済事業だからです。
電力事業は金融の投資商品だと、事業者は語りました。
この計画の事業者について
リニューアブル・ジャパンという金融系の会社が、風力発電事業や大規模太陽光発電所を計画するたびに合同会社を立ち上げて事業化を進めます。松阪市はこの会社による太陽光発電所が既にあるので松阪事業所がありますが、また新たに(仮称)三重松阪蓮ウィンドファーム合同会社が登録されました。一連会社での風力発電所の実績はありません。
計画の概要
松阪市飯高町の蓮ダムを中心とした山地の尾根部を4エリアに分け、1基あたりの出力が4,200kW~5,500kWの風車を最大60基設立する陸上風力発電の巨大構想。
風車の大きさは144m~183mの三枚ブレードを想定。これは現在国内で最大であるウィンドファームつがるの風車(149.8m高38基)よりもはるかに大規模な計画になる。
このエリアは中央構造線の露出箇所もあり破砕帯という地質のもろい地域である。また天然記念物なども含む生態系が豊かで自然環境保全が強く求められている区域である。計画地は民家との距離も1キロと近接しており、エリア内には医療・福祉施設や学校も含まれる。
工事期間は着工から営業運転開始まで49ヶ月が予定されており、工事に必要な搬入経路は国道166号と可能な限り既存林道を使用する。既存林道のないところや幅が足りないところは林道工事をする前提の計画である。
この風力発電事業に附随して心配される主な事柄
1.土砂災害の危険
中央構造線上の破砕帯とされるもろい地質の地域で今まで林道が付けられていなかったところに4m幅(事業者説明による)の道をつけることになります。土砂の流出や地形の変化が懸念され、ダムの決壊など更に大きな災害を招く危険があります。
2.水質汚濁の問題
林道建設また風車の設置工事により、土砂の流出がおこります。水源地の開発により、河川の汚れが予測されます。事業者は因果関係はないと否定していますが、蓮ダム建設のあと、30年かかって透明感を取り戻した川が損なわれることになりかねません。
3.残土処理問題
林道建設また風車設置工事により、大量の残土が排出されます。近隣の谷を埋めるなど稚拙な処理ではその後の災害につながることがわかっています。大量残土がどのくらい出るのか、そしてそれをどこに運ぶかが事前に明確にされる必要があります。
4.生態系への影響
山中から尾根筋に道と風車場がつくことで、貴重生物を含む多様な生物の生息地に大きな影響が出ます。自然度の高い地域での植生が喪失する危険が高く、生物多様性の確保ができなくなります。生態系への影響はSDGs目標にも反することになります。
5.バードストライク
この地域は日本の渡り鳥の要となる地域です。クマタカやイヌワシ(随分前にはなりますが)の生息も確認されており、巨大風車でのバードストライクによって鳥たちの死傷事故が懸念されます。コウモリのバッドストライクも生態系に大きな影響を与えます。
6.低周波音
風車が回る時の音の心配が大きいです。変則音や低周波音が継続的に聞こえてくることによって、耳鳴りや不眠につながる事例が多く報告されております。風車に囲まれた近隣地域住民の健康被害の引き金になる可能性が高いです。山間部のため反響音も心配です。
7.シャドウフリッカー
朝夕や晴天の日に風車が回るたびにちらつく大きな影によってもめまいや頭痛などの健康被害が心配されます。農作業や日常生活、学校生活にも影響がありそうです。他地域では遮光カーテンの対策をするようですが、外に出られなくなる?
8.騒音・大気汚染
建設工事のために大型車が何年も行き交うことによる騒音や振動、また大規模工事による大気汚染が配慮される必要があります。
建設該当地域のみならず、工事のために通る松阪港から国道166号沿いの地域全体でひっきりなしの騒音や大気汚染に悩まされます。
令和3年11月に行われた住民説明会の議事録が事業社から提出されています
住民からの一問一答、大きな懸念や反対の声などリアルに伝わる資料です